クラウドソーシングで案件を受注するためのコツ【発注側視点】
フリーランスや個人事業主、小規模企業にとっても案件獲得の営業ツールとして重宝するクラウドソーシングサービス。“クラウドワークス”や“ランサーズ”などが主に挙げられます。
私ももちろん活用していますが、どちらかというと“発注側”として利用することがかなり多いです。
ジャンルは様々で、「記事のライティング」「映像制作」「3DCG制作」「簡単事務作業」に至るまで…。
発注側としての視点で、クラウドソーシングサービスで案件、特に映像制作の受注をするためのコツをお伝えし、皆様のお役に立てればと思います。
事前準備
まずは、クラウドワークスやランサーズなどに登録し、設定する項目があるかと思いますが、その公開するべき情報について、特に重要な2点と1つをお伝えします。
ポートフォリオ・過去の作品
恐らく発注者が一番重要視している項目です。
発注する際に、「そのクリエイターがどれだけの作品を制作できるか?」の一番わかりやすい指標になります。
数が多ければいいというわけではなく、得意分野が見てわかるような内容のものが良いです。もしくは、1つの動画に詰め合わせをする、ダイジェストリール・ショウリール(DigestReel/ShowReel)を用意するとベターです。
- 多種多様なものを制作できる方は、ジャンルごとにベストなものを、
- ある一つの分野に特化した方は、その中でもより良いものを、3~5点ほど、
並べると、無駄なく確実にスキルが伝わるでしょう。
また可能であれば、制作した
- 金額
- 制作期間
が明記されていると、より判断がつきやすくなります。
紹介文
YouTube動画で言う、“サムネ”や“タイトル”のような部分で、オーガニックで来訪したクライアントにとって、一番気を引くための餌となるでしょう。
紹介文は詳しく書けばいいというわけではなく、ただ文章をタラタラと綴っている紹介文は、はっきり言ってしまうと時間の無駄なので見ません。
- どんな仕事に対応していて
- どんなスキルを持っていて
- どんな仕事をしたことがあって
- 特に何が得意か
というのを、簡潔に分かりやすく明記してあると良いです。
人にもよると思いますが、念のため、「相談は自由です」や「金額はもご相談ください」みたいな内容も簡単に添えておくと、発注者は相談しやすくなります。
また、検索用のキーワードを必ず設定します。
他のクリエイターの受注件数が見れると思うので、件数の多い人のキーワードを参考にすると良いでしょう。
スキル・経歴
恐らく、この項目は最終確認程度にしか使われないかと思います。
これまでのPRがされていれば、スキルも経歴もわかっているでしょうし、自己評価なのであまり当てにしていないというのが事実です。
ただし、使えるアプリケーションやスキルと経験年数は必ず記入しておきましょう。
それでは次に、応募する際の注意点をお伝えします。
応募時の注意点・やること
応募時に一番大事なことは「発注者の意図を理解すること」です。
どの仕事にも共通していますが、依頼者の意図を汲んで仕事することは、スムーズに進行し、相手を満足させるために大切なことです。
その点を踏まえて、注意点を挙げていきます。
応募文から意図を読み取り作品または強みを提示する
事前準備でもお話ししましたが、実際に作品を見ることが、受注への一番の近道です。
ただし、相手の求める内容と、応募者の提案が合致していなければ、受注へ漕ぎつけるのは難しく、受注したとしても、満足のいかない結果になるに違いありません。
なので、
- 応募文をよく読み
- 意図が分からなければ直接質問
- 意図を汲み取った内容で提案
- 案件に近しい作品があれば必ず提示する
- 作品がなければ文章で簡潔に伝える
することが大事です。
当たり前ですが「この案件は無理かも…」という案件には、むやみにアタックしない方がいいでしょう。
なぜなら、次回以降、その発注者からの受注が、ほぼ受けられなくなる可能性があるからです。一度失った信用を取り戻すのは、他の仕事でも難しいものです。
また、「今回のを作ってきました!!」という方も中にはいらっしゃいますが、あまりお勧めはしません。
私の発注者としての経験上、大して受注率が上がることがありません。案件を軽視していると捉えられる可能性もあります。
むやみやたらに応募しない
前述の通りとなりますが、スキルや経験、対応可能なものが合致しない場合、受注するのが難しいのは当たり前ですが、クラウドソーシングサービスには、受注者の評価システムもあります。なので、データとして「この人はだめだ」と、受注してもいないのにレッテルを貼られる可能性が高く、多くのクライアントからの信頼を失うことになりかねません。
応募文をよく読み、ある程度自信を持って応募できる案件(60%以上あれば大丈夫)に対して、応募するようにしましょう。
過去作品を提示する
こちらも前述しましたが、重要なので個別に記述します。
相手の意図を汲み取ったうえで、それに近しい過去作品があれば、なるべく提示してください。
マイページなどで公開できないような、公開許可を取っていない作品などです。
「こちら過去の作品となります。今回の案件と同様の制作を経験しておりますので、…」みたいな感じですね。
価格設定に気を付ける(特に低価格は注意)
応募の際には勿論、価格が合わなければ応募する必要はないですが、受注数を増やしたい初期や、どうしても取りたい案件、スキルアップにつながりそうな内容、であれば、積極的に取りに行くべきです。
発注者としては(多くがそうだと思いますが)、めちゃくちゃハイクオリティなものを、クラウドソーシングでは求めていません。かといって、粗末なものはNGですが、「価格に見合った最低限以上のクオリティのもの」を求めてきます。
なので、クラウドソーシングを使うのであれば、「クラウドソーシングレベルのクオリティの物を作れるようになること」が重要になってくるので、ある程度のプライドは捨て「仕事として割り切って活動する」ことが大事ですし、発注者としては、期待通りかそれ以上に仕事をこなしてくれることを求めています。
クリエイターとしても、クオリティの幅をコントロールすることは、仕事をする上ではとても重要なことだと思っています。
ただし、安請け合いをする必要はありません!
受注までのロードマップ
それでは、今までの内容を踏まえて、受注までのロードマップの一例を、参考までに作ってみたいと思います。
直接依頼されるまで
1.マイページの内容を充実させる
まずは、入力できるところを、なるべく簡潔に、分かりやすく、記入していきます。
「紹介文」「スキル」「ステータス」「WEBサイトリンク」「ポートフォリオ」などです。
2.他のクリエイターを参考にする
自分のページと、受注件数が多いクリエイターとの差を比べて、良い点があれば参考にさせてもらい、修正する。
検索に引っかかるような内容を設定するのも大事です。
3.待つ
直接依頼が来るのを待ちます。訪問履歴などをチェックし、訪問自体はあるか?などを確認。
-訪問はあるのに依頼がない→紹介文・金額・ポートフォリオの見直し
-訪問自体無い→紹介文・スキル・ポートフォリオ・経歴など検索に関わる部分を見直し
ただし、待っているだけでは受注できないので、同時に応募にも挑戦していきます。
応募からの受注
1.案件を探す
探し方は色々あると思いますが、
- 検索する
- 提案などのサービスを活用
- おすすめ
などで、地道に案件を探していきます。
2.応募文を熟読し意図を把握する
気になった案件があったら詳細を確認します。
応募文から分かる情報で、相手の意図を汲み取り、応募するか否かの決定をします。
分からない場合は、正直に質問しましょう。必ず答えが返ってくるはずです。
答えが返ってこない場合もありますが、そのときは潔くあきらめましょう。
3.応募する
応募する際に重要なのは
- 募集意図に合った作品の提示
- 妥当な金額感
- 受注の意欲
作品については、前述の内容を参考にしてください。
金額感については、無理に値下げする必要はありません。安すぎるとかえって不信感を与えてしまいます。
あとは、受注のための「募集意図の再確認」「分かりやすい提案」「意欲」を伝えます。
4.待つ
応募が完了したら待ち、他の応募へと進めていきます。
5-1.受注
見事受注したら、案件を速やかに進行すると同時に、
「なぜ受注できたのか?」
を、自分なりに考察して整理し、次回に繋げていきます。
分からない場合は、案件が完了してから発注者に聞いてみましょう。大体は答えてくれるはずです。(私は正直に答えています。)
5-2.失注
失注してしまったら、悔しいですが潔く次へ行きましょう。
と同時に、受注同様、
「なぜ受注できなかったのか?」
を、自分なりに整理、または聞いておき、次回に繋げていきます。
また、失注は星の数ほどすると思うので、あまり気にせずに、しっかり反省だけしていきましょう。
6.受注が被ってしまったら?
もし複数案件被ってしまったら…、受けられる分だけ受け、あとは正直に話し、発注者へ丁寧に謝り、断りを入れておきましょう。
失礼な断り方をしない限りは、一度気に入ってくれているので、また受注できる可能性は、他の応募者より抜けています。なので、次に繋げられるような断り方で、丁寧に断りましょう。
まとめ
以上、受注側の視点で、クラウドソーシングサービスで受注するためのコツや注意点をお話してきました。
ここで挙げた内容は、全体の一例にしかすぎず、様々な意見やコンセプトを持ったクライアントがたくさん存在しています。
また、個人や代表として活動し、ブランドを背負う立場の方であれば、ある信念・理念・ポリシーを持った立ち振る舞いをするかと思います。
最終的には、そういった双方の“合う”or“合わない”によって決まってくることが殆どですので、いち仕事として、いち営業ツールとして割り切って、それぞれのクラウドソーシングサービスを活用する必要があります。
もし、間違いや、深堀してほしい内容があれば、コメントにてご教示いただけますとありがたいです。
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